「教育計画書のエクセル様式」を探しているあなたへ、結論から
「教育計画書 エクセル」で検索してこの記事に来た方は、これから警備業を始めるので様式を一から作る必要がある、あるいは紙で作っていた計画書をエクセルに切り替えたい、といった状況だと思います。この記事では、教育計画書をエクセルで作成・保存してよい根拠、様式に入れるべき項目、無料でダウンロードできるテンプレートの使い方、そして記入例までをまとめます。
結論から言うと、教育計画書はエクセルなどの電子データで作成・保存して問題ありません。ただし空欄のフォーマットをそのまま埋めるだけでは、警備業法施行規則が求める記載事項が抜け落ちやすく、立入検査で指摘を受けるケースがあります。本サイトでは、区分ごとの教育事項があらかじめ入った教育計画書テンプレート(エクセル対応・無料)を用意しているので、後半で使い方も紹介します。
教育計画書とは何か、根拠条文を確認する
教育計画書とは、その年度に警備員へどのような教育をいつ・どれだけ行うかをあらかじめ定め、営業所に備え付ける法定書類です。根拠は警備業法45条と、その委任を受けた警備業法施行規則66条1項5号です。
混同しやすいのが「教育実施簿」との違いです。教育計画書が年度開始前に立てる予定表であるのに対し、教育実施簿は教育を行うたびに書き足していく実績の記録です。書き方をより詳しく知りたい方は、記入見本を中心にまとめた教育計画書の書き方の記事もあわせてご覧ください。この記事では「エクセルで作ってよいか」「テンプレートに何を入れればよいか」という、様式そのものに焦点を絞ります。
教育計画書のエクセル様式に必ず入れる6項目
施行規則66条1項5号は、教育計画書に記載すべき事項を次のとおり定めています。
| No | 記載事項 | エクセルの列イメージ |
|---|---|---|
| 1 | 教育の実施時期 | 実施予定月 |
| 2 | 教育の内容 | 教育事項(基本教育・業務別教育の項目) |
| 3 | 教育の方法 | 講義/実技訓練の別 |
| 4 | 時間数 | 予定時間数 |
| 5 | 実施者の氏名 | 実施予定者氏名 |
| 6 | 対象となる警備員の範囲 | 対象隊員(部署・区分など) |
ネットで見つかる汎用の「研修計画表」テンプレートは、5番目・6番目の「実施者の氏名」「対象となる警備員の範囲」の欄が抜けていることが多く、そのままでは施行規則の要件を満たしません。また、教育事項(何を教えるか)が空欄のままだと、施行規則38条が区分ごとに定める教育事項を自分で条文から拾って転記する手間がかかります。
自社が新任教育・現任教育でそれぞれ何時間必要か、免除や軽減の対象になる隊員がいないかを先に確認したい方は、教育時間チェッカーで区分・資格を入力すると必要時間数が判定できます。
エクセルで作ってよい根拠:施行規則67条
「様式は紙で綴じて保管しなければならないのでは」と心配される方もいますが、施行規則67条により、66条1項の書類に記載すべき事項が電磁的方法で記録され、必要に応じて電子計算機その他の機器で直ちに表示できる状態であれば、その電子記録をもって書面に代えることができます。したがって、教育計画書をエクセルやクラウドサービス上で作成・保管し、立入検査の際にパソコンの画面表示や印刷で提示できるようにしておけば、紙のファイリングは不要です(この論点は電磁的記録に関する記事でも詳しく扱っています)。
記入例:数字を当てはめて時間数を割り振る
言葉での説明だけでは実感がわきにくいので、具体的な数字で計画書の埋め方を示します。
新任教育の記入例(2号警備・未経験者) 新任教育は、警備業務に就かせる前に基本教育+業務別教育を合計20時間以上行う義務があります(施行規則38条2項・3項)。仮に業務別教育の時間数が6時間の場合、そのうち実地教育(OJT)で代替できるのは2分の1にあたる 6 ÷ 2 = 3時間までです(30分未満の端数は切り捨て、30分以上1時間未満は1時間に切り上げ)。教育計画書には、残りの3時間分は講義・実技訓練として実施時期を割り振り、実地教育で代替する3時間分は「実施方法」欄で区別して記載します。実地教育の代替上限の考え方はこちらの記事でも整理しています。
現任教育の記入例(1号警備・一般の隊員、在籍5名) 一般の警備員の現任教育は、毎年度(4月1日〜翌3月31日)基本教育+業務別教育を合計10時間以上行う義務があります(施行規則38条5項の表1項)。営業所に在籍する警備員が5名なら、年間で 10時間 × 5名 = 延べ50時間分の教育を計画・実施する計算になります。1回の教育で全員が受講できるとは限らないため、計画書の「対象となる警備員の範囲」欄で対象者を明確にし、何月にどの隊員が受けるかを月次で割り振っておくと、後で実施簿と突き合わせやすくなります。
なお、1級検定合格者をその種別の業務に従事させる場合、現任教育の業務別教育は免除(0時間)、2級の場合は業務別教育6時間に軽減されるなど、資格と従事業務の組み合わせによって必要時間数が変わります(38条5項)。免除・軽減の対象者がいる場合、計画書では「対象外」ではなく免除の根拠(保有資格)とあわせて記載しておくと、立入検査での説明がスムーズです。
汎用テンプレートと専用テンプレートの違い
検索すると、業種を問わず使える汎用の「年間研修計画エクセル」がヒットしますが、そうした様式には次の弱点があります。
- 施行規則38条の教育事項(基本教育5〜3項目・業務別教育5〜6項目、警備業務の区分ごとに異なる)があらかじめ入っていないため、条文を見ながら自分で転記する必要がある
- 「実施者の氏名」「対象となる警備員の範囲」の記載欄が省かれていることがある
- 新任教育と現任教育で必要な時間数・教育事項が異なる点が反映されていない
自社の状況を確認したい方は、警備員教育計画書テンプレート(エクセル対応・無料)を使うと、年度と警備業務の区分(1号〜4号・機械警備)、新任/現任を選ぶだけで、施行規則38条の教育事項が行に並んだ状態のCSV(エクセルで開けます)が出力されます。実施時期・時間数・実施者・対象となる警備員の範囲の欄を埋めていけば、そのまま条文の要件を満たした計画書になります。ダウンロードにあたって会員登録やメールアドレスの入力は不要です。
「年度開始30日前」に間に合わせる作り方の手順
- 教育時間チェッカーで、自社の隊員が新任教育・現任教育のどちらに該当し、免除や軽減があるかを区分・資格ごとに確認する
- 教育計画書テンプレートで年度・業務区分・教育区分(新任/現任)を選び、教育事項入りのエクセル(CSV)を出力する
- 出力された教育事項ごとに、実施時期(月)・実施方法(講義/実技訓練)・時間数を割り振り、合計が法定時間数を満たしているか確認する
- 実施者の氏名と、対象となる警備員の範囲(対象部署・対象隊員)を空欄にせず記入する
- 施行規則66条3項が定める年度開始日の30日前までに、完成した計画書を営業所に備え付ける(4月1日始まりの年度なら3月2日ごろが締切)
- 年度が始まったら計画に沿って教育を実施し、その都度教育実施簿に記録し、四半期ごとに計画と実績のかい離がないか確認する
注意点・誤解しやすいポイント
- 「教育した年から2年」ではなく「年度が終了してから2年」:施行規則66条2項により、教育計画書(および教育実施簿)は当該年度が終了した日から2年間、営業所に備え付ける義務があります。たとえば2026年度(2026年4月〜2027年3月)の計画書は、2027年3月31日を起点として2029年3月末までの保管が必要です。
- 免除区分でも計画書への記載は必要:検定合格や指導教育責任者資格による現任教育の免除・軽減は「教育時間の短縮」であって「計画からの除外」ではありません。免除された隊員についても、対象者と免除の根拠を計画書上で確認できるようにしておきます。
- 計画書と実施簿の記載が食い違うと指摘対象になる:エクセルで複数の隊員・複数年度を横断して管理していると、計画の時間数と実施簿の実績が転記のたびにずれやすくなります。どちらか一方を更新したら他方も揃える運用が安全です。
教育記録をクラウドで一元管理し、警備員ごとの累積時間と法定必要時間の不足を自動で把握したい場合は、14日間の無料トライアル(クレジットカード不要)でケイビログを試すこともできます。エクセルでの計画書作成と併用することも可能です。
よくある質問
Q. 教育計画書はエクセルで作成・保存してよいですか?
はい、認められています。施行規則67条により、66条1項の書類に記載すべき事項が電磁的方法で記録され、必要に応じて直ちに表示できる状態であれば、書面に代えることができます。立入検査時に画面表示または印刷で提示できるようにしておいてください。
Q. 無料のエクセル様式はどこで手に入りますか?
このサイトで、年度・警備業務の区分(1号〜4号・機械警備)・教育区分(新任/現任)を選ぶだけで、施行規則38条の教育事項が入った教育計画書テンプレート(エクセル対応・無料)を出力できます。会員登録やメールアドレスの入力は不要です。
Q. 教育計画書のエクセルには最低限何を書けばよいですか?
施行規則66条1項5号により、実施時期・内容・方法・時間数・実施者の氏名・対象となる警備員の範囲の6項目が必要です。実務ではこれに加えて教育区分(新任/現任)や教育の種類(基本教育/業務別教育)を列にすると、実施簿と対応づけやすくなります。
Q. 教育計画書はいつまでに営業所へ備え付ければよいですか?
年度開始日の30日前までです(施行規則66条3項)。4月1日始まりの年度なら3月2日ごろが締切になります。
Q. 教育計画書と教育実施簿はどちらもエクセルで管理してよいですか?
はい、いずれも施行規則67条の要件(電磁的方法での記録・直ちに表示できる状態)を満たせば電子データで問題ありません。ただし記載すべき事項は書類ごとに異なる(計画書は66条1項5号、実施簿は同項6号)ため、それぞれの必須項目を満たしているか個別に確認する必要があります。
まとめ
- 教育計画書はエクセルなどの電子データで作成・保存してよい(施行規則67条)。ただし施行規則66条1項5号が定める6項目(実施時期・内容・方法・時間数・実施者氏名・対象範囲)を満たすことが前提
- 汎用テンプレートは実施者氏名や対象範囲の欄、教育事項が抜けがちなので、施行規則38条の教育事項があらかじめ入った専用テンプレートを使うと転記の手間と記載漏れを減らせる
- 記入時は新任教育20時間・現任教育10時間といった法定時間数を基準に、実地教育の代替上限(業務別教育の2分の1まで)を踏まえて時間を割り振る
- 備付け期限は年度開始日の30日前(施行規則66条3項)、保管期間は年度終了後2年間(同条2項)
- 複数隊員・複数年度のエクセル管理で計画と実績のずれが増えてきたら、クラウドでの一元管理も選択肢になる
個別の様式や記載内容が施行規則の要件を満たしているかの最終的な判断は、詳しくは管轄の都道府県公安委員会(警察本部の生活安全部局)や顧問の社会保険労務士にご確認ください。2026年時点の規定に基づいて解説していますが、警備業法施行規則は改正されることがあるため、最新の条文はe-Gov法令検索でご確認ください。