現任教育には「免除」と「軽減」の2段階がある
警備員の現任教育は、一般の警備員で毎年度10時間以上(基本教育+業務別教育)が原則です(警備業法施行規則38条5項)。ただし、保有資格と従事させている業務の組み合わせによって、次の2段階で軽くなります。
- 免除(0時間):現任教育そのものが不要
- 軽減(業務別教育のみ6時間):基本教育が不要になり、業務別教育だけ・かつ時間も短縮
「免除」と「軽減」は条件が異なり、特に検定の級(1級か2級か)と資格の種別・区分が従事業務と一致しているかで結論が変わります。ここを取り違えると、本来必要な教育を実施せず教育不足になりかねません。以下のフローで判定してください。
【判定フロー】上から順に当てはめる
自社の警備員について、上から順に確認し、最初に当てはまった行が結論です。
| # | 確認すること | 結論 |
|---|---|---|
| 1 | 従事させている業務と同じ種別の1級検定合格証明書を持っている | 免除(0時間) |
| 2 | 従事させている業務と同じ区分の警備員指導教育責任者資格者証を持っている | 免除(0時間) |
| 3 | 従事させている業務と同じ種別の2級検定合格証明書を持っている | 業務別教育のみ6時間 |
| 4 | 別の種別の検定合格証明書を持つ者を、その種別以外の業務に従事させている | 業務別教育のみ6時間 |
| 5 | 別の区分の指導教育責任者資格者証を持つ者を、その区分以外の業務に従事させている | 業務別教育のみ6時間 |
| 6 | 上のどれにも当てはまらない | 原則どおり 基本+業務別で毎年度10時間 |
ポイントは**「1級=免除/2級=業務別6時間」**という級の違いと、資格の種別・区分が“従事業務と同じ”かどうかです。資格を持っていても、就かせている業務とずれていれば免除にはならず、4・5項の軽減(業務別6時間)に当たります。
資格・経歴を選ぶだけでこの判定を自動で行う教育時間チェッカーも用意しています。フローのどこに当たるか不安なときの確認に使えます。
免除される2つのケース
現任教育が免除されるのは、施行規則38条5項の柱書に基づく次の場合です(フローの1・2)。
- その業務と同じ種別の1級検定合格証明書を持つ警備員を、その種別の警備業務に従事させている
- その業務と同じ区分の指導教育責任者資格者証を持つ警備員を、その区分の警備業務に従事させている
いずれも「資格の対象=実際に就いている業務」が一致していることが条件です。たとえば交通誘導警備(2号)の1級検定を持つ人を交通誘導に就かせていれば免除ですが、同じ人を施設警備(1号)に就かせる場合は免除になりません(次の軽減に当たります)。
業務別6時間に軽減される3つのケース
基本教育が不要になり、業務別教育のみ6時間でよいのは次の場合です(フローの3・4・5、38条5項の表2項)。
- 2級検定合格証明書を、従事させている業務と同じ種別で持っている
- 検定合格証明書を、従事させている業務とは別の種別で持っている
- 指導教育責任者資格者証を、従事させている業務とは別の区分で持っている
つまり「一定の資格はあるが、級が2級、または種別・区分が今の業務とずれている」場合に、基本教育を省いて業務別教育6時間に軽くなる、という整理です。
間違えやすいポイント
- 新任教育の免除とは条件が違う:新任教育では1級・2級どちらの検定でも同じ種別なら免除ですが、現任教育では2級は免除でなく業務別6時間です。級の扱いが異なる点に注意。
- 「資格を持っている=免除」ではない:免除は資格の種別・区分が従事業務と一致している場合のみ。ずれていれば軽減(6時間)止まりです。
- 記録は免除でも必要な範囲がある:免除されるのは教育の実施義務であって、誰がどの区分でなぜ免除なのかは教育実施簿・名簿の管理上わかるようにしておくと、立入検査で説明しやすくなります。
よくある質問
Q. 1級検定を持っていれば現任教育は不要ですか?
その検定の種別と同じ警備業務に従事させている場合は免除されます(施行規則38条5項柱書)。別の種別の業務に就かせている場合は免除されず、業務別教育6時間になります。
Q. 2級検定だと現任教育はどうなりますか?
同じ種別の業務に従事させていても、2級の場合は免除ではなく業務別教育6時間です(38条5項の表2項)。免除は1級の場合に限られます。
Q. 指導教育責任者の資格があれば免除ですか?
資格者証の区分と同じ警備業務に従事させていれば免除されます。別の区分の業務に就かせている場合は業務別教育6時間に軽減されます。
Q. 自社の隊員がどれに当たるか簡単に調べる方法は?
資格・経歴を選ぶと該当区分と必要時間を判定する教育時間チェッカーをご利用ください。免除・軽減・原則10時間のいずれかを根拠条文つきで確認できます。