警備員指導教育責任者とは
警備員指導教育責任者(指教責)は、営業所において警備員の教育・指導を統括する、警備業法上の選任資格者です。「教育を実施させる人」というより、**教育の計画を作り、その実施を管理し、記録を監督する“教育の責任者”**と捉えると実務に合います。根拠は警備業法22条と、その業務を定める警備業法施行規則40条です。
選任は「営業所ごと × 警備業務の区分ごと」が原則
ここが最も誤解されるところです。警備業法22条は、警備業者に対し 営業所ごと、かつ その営業所で取り扱う警備業務の区分ごと に、当該区分の資格者証の交付を受けている者のうちから指導教育責任者を選任することを義務づけています。
| 営業所が扱う区分 | 必要な指導教育責任者 |
|---|---|
| 1号(施設警備)のみ | 1号の資格者 1名 |
| 1号+2号(交通誘導等) | 1号の資格者+2号の資格者 |
| 1〜4号すべて | 各区分の資格者 |
つまり「営業所に誰か1人いればよい」ではなく、取り扱う区分の数だけ、その区分の資格者が要るのが原則です(1人が複数区分の資格者証を持っていれば兼ねられます)。
指導教育責任者の4つの法定業務(施行規則40条)
選任された指導教育責任者が担う業務は、警備業法施行規則40条で次のように定められています。
- 指導計画書を作成し、それに基づき警備員を実地に指導し、その記録を作成すること
- 教育計画書を作成し、それに基づく警備員教育の実施を管理すること(自ら実施するほか、他者による教育の指導・実施状況の把握を含む)
- 教育の実施に関する記録(教育実施簿等)の記載を監督すること
- 警備員の指導・教育について、警備業者に必要な助言をすること
なお、2の教育計画書は教育計画書テンプレートで記載事項を満たした形で作成できます。
資格者証はどうやって取る?
指導教育責任者になるには、各都道府県公安委員会が行う指導教育責任者講習の課程を修了し、区分ごとに資格者証の交付を受ける必要があります。受講資格や講習の中身は、別記事であらためて詳しく扱います。
選任後も終わりではない:3年ごとの定期講習
資格者証を取れば一生そのまま、ではありません。選任されている指導教育責任者は、原則3年に1回、定期講習(現任の指導教育責任者講習)を受ける必要があります(指導教育責任者等の講習等に関する規則)。受け忘れると資格の維持に影響するため、期限管理が実務上の要点です。
選任を怠るとどうなる
指導教育責任者の選任は営業所ごとの義務であり、選任を欠いた状態は行政処分(指示・営業停止等)の対象になり得ます。日々の管理では、退職・異動で資格者が欠けたまま放置しないこと、扱う区分を増やすときは先に資格者を確保することが重要です。
よくある質問
Q. 1つの営業所に指導教育責任者は1人いればよいですか?
いいえ。取り扱う警備業務の区分ごとに、その区分の資格者を選任するのが原則です。1人が複数区分の資格者証を持っていれば兼ねられます。
Q. 経営者や隊長が兼任できますか?
その区分の資格者証を持っていれば可能です。資格の取得方法は別記事を参照してください。
Q. 資格者証はずっと有効ですか?
資格者証自体は有効でも、選任されている間は原則3年に1回の定期講習が必要です。
Q. 指導教育責任者本人の現任教育は免除されますか?
一定の場合に免除・軽減の対象になります。現任教育が免除・軽減される条件を参照してください。