指導教育責任者になるには、まず「資格者証」が要る
営業所に警備員指導教育責任者(指教責)を置くには、その人が**取り扱う区分の「警備員指導教育責任者資格者証」**の交付を受けている必要があります。なぜ営業所ごと・区分ごとに必要なのかは指導教育責任者とは?営業所・区分ごとの選任義務で整理しました。本記事はその一歩手前、「どうやって資格者証を取るのか」を、受講資格・講習・申請の流れに分けて解説します。根拠は警備業法22条と、国家公安委員会が定める指導教育責任者講習の規則です。
資格者証を取得するまでの流れ
資格者証は試験一発で取るものではなく、講習の修了を経て交付されます。流れは次の二段構えです。
- 受講資格を満たす(後述の5ルートのいずれか)
- 公安委員会(または委託を受けた都道府県の警備業協会)が行う指導教育責任者講習を受講する
- 講習最終日の考査に合格する → 「警備員指導教育責任者講習修了証明書」が交付される
- 修了証明書をもとに、公安委員会へ資格者証の交付を申請する
- 欠格事由に該当しなければ、資格者証が交付される
つまり「受講資格 → 講習+考査 → 修了証明書 → 交付申請 → 資格者証」という順序です。必要書類や日程は都道府県ごとに案内されています(例:警視庁の取得方法案内)。
受講資格:5つのルートのいずれか
新規取得講習を受けられるのは、取り扱う区分(1〜4号)ごとに次のいずれかに当てはまる人です(指導教育責任者講習の規則第3条)。
| ルート | 条件 |
|---|---|
| ①従事年数 | 最近5年間に当該警備業務に従事した期間が通算3年以上 |
| ②新検定1級 | 当該警備業務の検定1級合格証明書の交付を受けている(平成17年11月20日以降の新検定) |
| ③新検定2級+継続 | 当該検定2級合格証明書の交付後、1年以上継続して当該警備業務に従事している現警備員 |
| ④旧検定1級 | 平成17年11月20日以前の旧検定1級合格者 |
| ⑤旧検定2級+継続 | 旧検定2級合格後、1年以上継続して当該警備業務に従事している現警備員 |
ポイントはすべて「当該区分」ごとだということ。1号(施設警備)の資格者になりたいなら1号の従事歴や1号検定が必要で、他区分の実績では受講できません。共通の必要書類は受講申込書と本籍地記載の住民票の写しで、ルートにより従事証明書や検定合格証明書の写しが加わります(東京都警備業協会の受講案内)。
講習の種別と時間(新規取得・追加取得・現任)
講習には3つの種別があり、区分ごとに時間が異なります(1時限=50分)。
| 種別 | 1号 | 2号 | 3号 | 4号 |
|---|---|---|---|---|
| 新規取得 | 47時限 | 38時限 | 38時限 | 34時限 |
| 追加取得(別区分を足す) | 23時限 | 14時限 | 14時限 | 10時限 |
| 現任(3年ごと) | 5時限 | 5時限 | 5時限 | 5時限 |
はじめて取るなら新規取得講習、すでに別区分の資格者証を持っていて区分を増やすなら追加取得講習で時間が短縮されます。新規取得は1号で47時限=実質1週間前後の連続講習になるため、営業所運営では受講者の業務を計画的に空ける段取りが要ります。
取得後も「3年ごと」の現任講習が続く
資格者証は取って終わりではありません。**選任されている指導教育責任者は、原則3年に1回の現任講習(各5時限)**を受ける必要があります。受けずに期限を過ぎると選任要件を満たさなくなるため、資格者証の交付日と現任講習の期限は、警備員の教育記録とあわせて営業所単位で管理しておくのが安全です。
よくある質問
Q. 試験に合格すれば取れますか?
試験一発ではありません。講習を受けて最終日の考査に合格し、交付される修了証明書をもとに公安委員会へ資格者証の交付を申請する流れです。
Q. 実務経験がなくても取れますか?
未経験・無資格では新規取得講習の受講資格を満たしません。当該区分への通算3年以上の従事歴か、**検定(1級、または2級+1年継続)**のいずれかが必要です。
Q. 1号の資格者証で2号の営業所の指導教育責任者になれますか?
なれません。資格者証は区分ごとで、2号の営業所には2号の資格者証が要ります。すでに別区分を持っているなら、時間の短い追加取得講習で区分を増やせます。
Q. 取得後に何もしないと失効しますか?
選任されている間は原則3年ごとの現任講習が必要です。受けないと選任要件を満たさなくなるため、期限管理が欠かせません。