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警備員の教育計画書と教育実施簿の違い|役割・作成タイミングを整理

運営・編集:ケイビログ編集部

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「教育計画書」と「教育実施簿」、結局どう違うのか

「教育計画書は作ったけど、実施簿と何が違うのか分からないまま両方それらしく埋めている」——警備会社の管理者や指導教育責任者(警備員に対する教育を管理する立場の資格者)からよく聞く悩みです。呼び方が似ているうえ、どちらも警備業法施行規則第66条第1項に営業所への備付けが義務づけられた書類だからです。

結論から言うと、**教育計画書は「これから行う教育の予定」、教育実施簿は「実際に行った教育の記録」**という、時間軸が逆の書類です。計画書は教育の前に作り、実施簿は教育の後に記入します。根拠条文も別で、教育計画書は施行規則66条1項5号、教育実施簿は同項6号にそれぞれ独立して定められています。似ているようで、記載するタイミングも記載事項も別物と考えたほうが正確です。

条文で見る違い:記載事項・作成タイミング・根拠

2つの書類の違いを一覧にすると次のとおりです(施行規則66条1項5号・6号、2項、3項、67条に基づく)。

項目教育計画書教育実施簿
位置づけ年度(教育期)の教育「予定」実施した教育の「実績」記録
根拠条文66条1項5号66条1項6号
主な記載事項実施時期・内容・方法・時間数・実施者氏名・対象警備員の範囲実施年月日・内容・方法・時間数・場所・実施者氏名・対象警備員氏名
確認欄条文上の明記なし(実務上は作成者確認が望ましい)指導教育責任者・実施者による「誤りがないことを確認する旨」の付記が必須(66条1項6号)
作成・備付けのタイミング教育期(年度)開始日の30日前まで(66条3項)教育の実施の都度、記録を積み上げる
保存期間教育期が終了した日から2年間(66条2項)教育期が終了した日から2年間(66条2項)
電磁的記録可(67条・要件を満たせば書面に代替)可(67条・要件を満たせば書面に代替)

表からわかるとおり、記載事項の粒度も違います。教育実施簿は「誰が」「いつ」「どこで」実施したかまで踏み込んで記録し、かつ確認欄への付記が条文上求められるのに対し、教育計画書は年間の予定として「時期・内容・方法・時間数・実施者・対象範囲」を定める書類です。実施簿だけに「場所」と「実施年月日」「対象警備員の氏名(受講者名)」の記載義務がある点も、実務でよく見落とされます。

自社の様式がこの記載事項を満たしているか不安な場合は、教育計画書テンプレートで年度・区分を選ぶだけで必須項目を満たした様式を確認できます。

2つの書類がなぜセットで必要なのか

計画書と実施簿が別々に義務化されている理由は、立入検査で見られる観点が「予定どおりに実施されたか」だからです。教育計画書だけでは「やるつもりだった」ことしか示せず、教育実施簿だけでは「行き当たりばったりに教育していないか」が判断できません。両方をつき合わせることで、計画→実施→記録というサイクルが機能しているかが確認できます。

このつながりを、新任教育の実地教育(現場でのOJT)を例に数字で見てみます。新任教育のうち「同区分の経験者」の区分は基本+業務別教育あわせて7時間で、業務別教育を5時間と計画した場合、実地教育で代替できる上限は「業務別教育時間数の2分の1」と「2時間」の少ない方です(規則38条3項備考4号)。計算すると 5 ÷ 2 = 2.5 で、30分以上1時間未満は1時間に切り上げるため3時間、これと上限の2時間を比べて少ない方の2時間までが実地教育で代替できます。教育計画書には「業務別教育5時間のうち2時間は実地教育で実施」と時期・実施者とともに書き込み、実際に現場でOJTを行ったら教育実施簿の「方法」欄に「実地教育」と記録し、実施年月日・実施者・対象者を確認欄つきで残します。計画の数字と実施簿の実績が一致していなければ、そこが検査での指摘対象になります(実地代替の区分ごとの上限は実地教育による代替の記事で詳しく解説しています)。

もう一つ、実施簿側だけの特徴として押さえておきたいのが記録の分量です。現任教育は毎年度10時間以上が基本ですが、これは警備員1人あたりの時間数です。在籍する一般の警備員が5名いれば、10 × 5 = 50 で、延べ50時間分の実施記録を年度内のどこかで積み上げて実施簿に残す必要があります。計画書は「年間でどう配分するか」の1枚で足りますが、実施簿はこの延べ時間分、実施の都度記入が発生する点が実務負担として大きく異なります。

自社の書類が要件を満たしているか確認する手順

  1. 手元の様式に計画書・実施簿それぞれの必須記載事項があるか照合する(上の表を参照)。実施簿に確認欄がなければ、その様式は要件を満たしていません。
  2. 今年度の教育計画書が「開始30日前」までに作成・備付けされていたかを確認する。4月1日始まりの年度であれば3月2日ごろが目安です。
  3. 教育を実施するたびに、実施簿へその場で記録する運用になっているかを見直す。後日まとめて記入すると、日付や時間数の記憶違いが起きやすくなります。
  4. 警備員名簿にも教育の実施状況(年月日・内容・時間数・実施者氏名)が反映されているかを確認する(66条1項1号ロ)。実施簿と名簿の二重転記が漏れの原因になりがちです。
  5. 計画書・実施簿とも、教育期終了後2年間の保存ができる場所(紙またはクラウド)に置かれているかを確認する。

自社の教育区分・資格構成でどの時間数が必要かを含めて確認したい場合は、教育計画書テンプレートを使うと、年度・区分を入力するだけで計画書の下書きが作成できます。日々の記録をクラウドで一本化したい場合は、14日間の無料トライアル(クレジットカード不要)で教育記録の管理を試すこともできます。

誤解しやすいポイント

  • 「計画書があれば実施簿は省略できる」は誤り:両方が独立した備付け義務です。計画書は予定、実施簿は実績で、片方だけでは要件を満たしません。
  • 「実施簿さえ書けば計画書は後付けでよい」も誤り:教育計画書は年度開始30日前までの備付けが条文上の期限であり、実施後にまとめて作る運用は期限違反になります。
  • 保存期間の起点を勘違いしやすい:2年間の起算点は「作成日」ではなく「当該教育期が終了した日」です(66条2項)。年度途中に作った書類でも、保存終了日は年度末基準でそろいます。
  • 確認欄の要否を混同しやすい:確認欄(指導教育責任者・実施者の確認付記)が条文上明記されているのは教育実施簿(66条1項6号)です。計画書の様式にも確認欄を設ける会社が多いですが、これは実務上の工夫であり、実施簿の確認欄と役割が違う点は区別して理解しておくとよいでしょう。

このあたりの運用は営業所の実態や過去の指摘事項によって幅があります。詳しくは管轄の都道府県公安委員会(警察本部の生活安全部局)や顧問の社会保険労務士にご確認ください。

よくある質問

Q. 教育計画書と教育実施簿は同じ書類にまとめてもよいですか?

条文上は66条1項5号(計画書)と6号(実施簿)で別の書類として記載事項が定められていますが、様式そのものを1つのファイルの別シート・別欄で管理すること自体は禁止されていません。ただし「予定」と「実績」が一目で区別でき、それぞれの必須記載事項(確認欄を含む)を満たしていることが前提です。判断に迷う場合は管轄の公安委員会に確認してください。

Q. 教育計画書どおりに実施できなかった場合、実施簿にはどう書けばよいですか?

実施簿には実際に行った内容をそのまま正確に記録します。計画と実績にズレが生じた場合は、計画書側を実態に合わせて修正・更新し、両者の食い違いを放置しないことが重要です。

Q. 教育計画書と教育実施簿、どちらも紙で保管する必要がありますか?

必要ありません。施行規則67条により、記載事項が電磁的方法で記録され、必要に応じて画面表示・印刷などで直ちに表示できる状態であれば、書面に代えることができます。クラウドでの一元管理も条文上認められています。

Q. 教育実施簿の確認欄には誰が記名すればよいですか?

条文(66条1項6号)は「指導教育責任者及び実施者」が記載事項に誤りがないことを確認する旨を付記するよう求めています。実施者(実際に教育を行った人)と、それを指導教育責任者が確認する二段構えの記名を想定した様式にしておくと安全です。

まとめ

  • 教育計画書(66条1項5号)は年度の教育「予定」、教育実施簿(66条1項6号)は「実績」の記録で、根拠条文も記載事項も別物
  • 教育計画書は年度開始30日前までに備付け、教育実施簿は実施の都度記入し確認欄への付記が必須
  • どちらも教育期終了後2年間の保存義務があり、電磁的記録(クラウド管理)でも要件を満たせる
  • 実施簿は警備員1人あたりの時間数×在籍人数分の記録が発生するため、計画書より運用負担が大きくなりやすい
  • 自社の様式が要件を満たしているか不安なら、まずは教育計画書テンプレートで必須項目を確認し、記録の管理を効率化したい場合はクラウドでの一本化も検討するとよいでしょう

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