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警備業を廃止・営業所を閉鎖するときの届出|提出期限と教育記録・名簿の扱い

運営・編集:ケイビログ編集部

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会社をたたむとき・支店を閉じるとき、届出はどうなりますか

「警備業から撤退することになった」「複数ある営業所のうち1つを閉じることになった」——どちらも日常的に起きる手続きではないため、いざ直面すると「誰に・いつまでに・何を届け出ればよいのか」「長年積み上げてきた教育記録や警備員名簿は処分してよいのか」で手が止まる管理者・指導教育責任者(警備員に対する教育を管理する立場の資格者)の方は少なくありません。この記事では、警備業法上の廃止・営業所閉鎖の届出の期限と、見落とされがちな教育記録・名簿の保存義務の扱いを整理します。

結論:会社全体の廃止は10日以内、一部営業所の閉鎖は変更届出として10日(または20日)以内

結論から言うと、警備業者が警備業そのものをやめる場合は、廃止した日から10日以内に、主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会(窓口は所轄警察署)に「警備業廃止届出書」を提出しなければなりません(警備業法10条1項、同法施行規則15条2項)。一方、会社は存続したまま複数営業所のうち1つだけを閉じる場合は「廃止」ではなく「変更」の届出として扱われ、変更の日から原則10日以内(登記事項証明書の添付が必要なケースは20日以内)に届け出ます(警備業法11条1項、施行規則17条2項)。両者は根拠条文も届出書の様式も異なるため、まず自社のケースがどちらに当たるかを切り分けることが出発点になります。

詳細説明:根拠条文と、閉鎖後も残る書類保存義務

警備業法10条1項は「警備業者は、警備業を廃止したときは、内閣府令で定めるところにより、公安委員会に、廃止の年月日その他の内閣府令で定める事項を記載した届出書を提出しなければならない」と定めています。この届出書の様式は施行規則15条1項により「別記様式第五号」、記載事項は施行規則16条1項により「廃止の年月日及び廃止の事由」とされています。届出書を提出すると警備業法10条2項により認定の効力そのものが失われる点は、単なる事務手続きではなく法的効果を伴う手続きであることを意味します。

これに対し、支店・営業所の新設や移転・取扱区分の追加とならび「営業所の廃止」も、認定申請事項(警備業法5条1項各号)の変更の一類型として扱われます。会社自体は存続するため根拠は11条1項(施行規則17条2項)の変更届出になり、提出期限は原則10日以内です。変更届出の全体像(対象事項・添付書類の考え方)は営業所や役員の変更届出で詳しく解説していますので、支店閉鎖の手続き面はそちらもあわせてご確認ください。

ここで実務上見落とされやすいのが、届出を済ませても備付け書類の保存義務そのものは消えないという点です。施行規則66条1項は警備員名簿・指導計画書・教育計画書・教育の実施を記録した書類などを備付け書類と定め、同条2項でそれぞれの保存期間を定めています。

書類保存期間の起算点保存期間
警備員名簿警備員の退職日1年間
指導計画書実地に指導した日2年間
教育計画書当該年度が終了した日2年間
教育の実施を記録した書類(実施簿)当該年度が終了した日2年間

(根拠:警備業法施行規則66条1項・2項)

廃止や営業所閉鎖によってこの保存期間自体が短縮されるという規定はありません。たとえば2026年3月末に警備業を廃止した場合、2025年度(2025年4月〜2026年3月)分の教育計画書・教育実施簿は、年度終了日である2026年3月31日から2年後の2028年3月31日まで保存義務の対象になり得ると考えられます。保存すべき実質的な期間は会社が存在するかどうかで区切られるものではないため、廃止・閉鎖の準備段階で「誰が・どこで・いつまで」保管するかを決めておく必要があります。

数字で見ると保存対象の分量はそれなりの規模になります。たとえば在籍警備員5名について現任教育(毎年度、基本教育と業務別教育を合計10時間以上行う教育。施行規則38条5項)を実施していた場合、10 × 5 = 延べ50時間分の実施記録が、年度終了後2年間は保存対象として残り続けます。このうち業務別教育を6時間と計画していた場合、実地教育(現場でのOJT)で代替できるのは 6 ÷ 2 = 3時間までで、残りは集合教育などで実施した記録として残っている必要があります。紙の実施簿で保管している場合、営業所を閉じた後にこの分量を散逸させずに保管し続けるのは容易ではありません。

自社がどの書類を・いつまで備えておく必要があるか現時点で整理できているか不安な方は、備付け書類の自主点検ツールで8点の書類の有無と保存状況を一度確認してみてください。

自社で確認・対応する手順

  1. 「会社全体の廃止」か「一部営業所の閉鎖」かを特定する——前者は警備業法10条(施行規則15条・16条)、後者は11条1項(施行規則17条2項)が根拠になります。
  2. 届出期限を確定する——廃止は廃止した日から10日以内、変更(営業所閉鎖)は原則10日以内(登記事項証明書添付時は20日以内)です。
  3. 届出書の様式を確認する——廃止届出書は様式第五号です。様式は都道府県警察のウェブサイトで公開されていることが多く、たとえば東京都の場合は警視庁の警備業申請様式ページで確認できます。
  4. 主たる営業所の所在地を管轄する警察署(生活安全課の窓口等)に提出する——他都道府県にも営業所や警備業務を行う区域があった場合は、経由すべき警察署が追加される場合があります。
  5. 施行規則66条1項の備付け書類(名簿・指導計画書・教育計画書・実施記録など)を洗い出し、保存期間が満了していないものを特定する。
  6. 保存期間が満了していない書類の保管方法・保管場所・保管担当者を決める——紙であれば保管場所、電子データであれば誰がアクセス権を持ち続けるかまで決めておきます。
  7. 在籍警備員が転職・退職する場合に備え、名簿の写し(退職後1年保存が必要)を本人や次の雇用主からの照会に対応できる形で残しておく。

教育記録をクラウドで管理していれば、営業所を閉じた後も記録そのものは手元の紙に依存せず残り、保存期間中の照会にも対応しやすくなります。クレジットカード不要の14日間無料トライアルでケイビログの記録機能を試すこともできます。

注意点・誤解しやすいポイント

  • 「廃止届を出せば書類は処分してよい」は誤解です。施行規則66条2項の保存期間は届出とは独立して進行するため、廃止後も期間満了まで保存義務が続くと考えられます。
  • 「会社を廃止する=全営業所の変更届が別途必要」ではありません。警備業法10条の廃止届出は会社全体の認定を失効させる手続きであり、個々の営業所についての変更届出とは別の制度です。
  • 「期限を過ぎても受理されるから問題ない」は危険な考え方です。届出をしなかったり虚偽の記載をした場合は、警備業法58条3号により30万円以下の罰金の対象となり得ます。
  • 他都道府県に営業所や警備業務を行う区域がある場合、経由すべき警察署が1か所とは限りません。施行規則15条2項は、主たる営業所の所在都道府県以外でも営業所を設けていた・警備業務を行っていた場合に、経由すべき警察署長が追加される旨を定めています。事前に管轄窓口へ確認しておくと提出時に差し戻されずに済みます。

詳しくは管轄の都道府県公安委員会(警察本部の生活安全部局)や顧問の社会保険労務士にご確認ください。特に他都道府県にまたがる営業所がある場合や、認定の失効後に再度警備業を始める予定がある場合は、個別の事情によって手続きが変わり得ます。

まとめ

  • 会社全体の警備業廃止は、廃止した日から10日以内に様式第五号の届出書を提出する(警備業法10条1項、施行規則15条・16条)。
  • 一部営業所のみの閉鎖は「変更」届出として扱われ、原則10日以内(登記関係は20日以内)に届け出る(警備業法11条1項、施行規則17条2項)。
  • 届出を済ませても、警備員名簿・教育計画書・教育実施簿などの保存義務(施行規則66条)は独立して進行し、廃止・閉鎖後も期間満了まで続くと考えられる。
  • 保存対象の分量は在籍人数×教育時間で延べ時間に換算すると見えやすく、散逸させない保管計画を廃止・閉鎖前に立てておく必要がある。
  • 他都道府県にまたがる営業所・警備業務がある場合は経由すべき警察署が増えることがあるため、事前に管轄窓口へ確認する。

よくある質問

Q. 警備業を廃止した場合、認定証はどうすればよいですか。

警備業法10条1項の届出書を提出すると、同条2項により認定はその効力を失います。認定証の返納手続きの要否については、届出先の警察署の窓口にあわせて確認することをおすすめします。

Q. 営業所を1つ閉じるだけでも届出は必要ですか。

必要です。複数ある営業所のうち1つを閉じる場合でも、認定申請事項(警備業法5条1項各号)の変更に当たるため、警備業法11条1項に基づく変更届出書を原則10日以内に提出する必要があります。詳細は営業所や役員の変更届出をご覧ください。

Q. 廃止後、教育実施簿や警備員名簿はいつまで保存すればよいですか。

施行規則66条2項により、教育計画書と教育実施簿は当該年度が終了した日から2年間、警備員名簿は警備員の退職日から1年間の保存が定められています。廃止・閉鎖によってこの期間が短縮される規定は見当たらないため、期間満了まで保存しておく必要があると考えられます。最終的な判断は管轄の公安委員会にご確認ください。

Q. 届出が遅れた場合、罰則はありますか。

届出をしなかった場合や虚偽の記載をして提出した場合は、警備業法58条3号により30万円以下の罰金の対象となり得ます。気づいた時点で速やかに届け出ることが重要です。

Q. 廃止した会社が将来また警備業を始めることはできますか。

制度上、新たに認定申請を行うこと自体は可能と考えられますが、過去の廃止理由や欠格事由の有無など個別の審査事項があるため、再開を検討する段階で管轄の都道府県公安委員会に事前相談することをおすすめします。

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