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イベント警備など短期・スポットの警備員にも新任教育は必要?

運営・編集:ケイビログ編集部

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イベント警備・スポット警備員にも新任教育は必要です(結論)

「単発のイベント警備だから」「1日だけの応援だから」という理由で、新任教育を省略している――そんな運用に心当たりはないでしょうか。花火大会やコンサート、展示会などのイベント警備は、登録制のスタッフを都度呼び出すスポット・単発雇用が一般的で、正社員の新任教育と同じ手間をかけにくいのが実情です。

結論から言うと、雇用期間の長さや働く回数に関係なく、警備業務にはじめて従事させる警備員には新任教育を行わなければなりません。根拠は警備業法第21条第2項と、これを受けた警備業法施行規則第38条第4項です。条文は「新たに警備業務に従事させようとするとき」を基準にしており、雇用形態がアルバイト・日雇い・登録スタッフのいずれであるか、契約が1日限りかどうかを問いません。時間数の軽減・免除の規定はありますが、それは保有資格や実務経験によるもので、「短期だから」「イベントだから」という理由による適用除外は施行規則38条4項のどこにも定められていません。

なぜ雇用期間に関係なく教育義務が生じるのか

警備業法21条2項は「警備業者は、その警備員に対し、警備業務を適正に実施させるため…内閣府令で定めるところにより教育を行うとともに、必要な指導及び監督をしなければならない」と定めています。教育義務の主語は「警備員」であり、雇用契約の期間や1回あたりの就業時間の長さは要件になっていません。

そして施行規則38条4項は、教育の時間数を軽減・免除できる場合を、検定合格証明書の保有・警備員指導教育責任者資格者証の保有・同一区分または他区分での実務経験・警察官としての職歴という限定列挙で定めています。裏を返せば、ここに列挙されていない「雇用期間が短いこと」「1日だけの業務であること」を理由に教育を省略できる規定は存在しません。イベント当日だけの応援であっても、その人にとって警備業務に従事するのが初めてであれば、20時間以上の新任教育(後述の軽減に該当しない場合)を業務に就かせる前に終える必要があります。

新任教育の時間数:区分・資格・経歴ごとの一覧

新任教育の時間数は、保有資格や実務経験の有無によって次のように変わります(警備業法施行規則38条4項の表、警視庁の案内で確認済み)。

対象者新任教育の時間数実地教育での代替上限
未経験・無資格の一般警備員基本教育+業務別教育 合計20時間以上業務別教育時間の2分の1または5時間の少ない方
直近3年で他区分の警備業務に通算1年以上従事、または警察官の職に通算1年以上基本教育+業務別教育 合計13時間以上業務別教育時間の2分の1または5時間の少ない方
直近3年で同一区分の警備業務に通算1年以上従事基本教育+業務別教育 合計7時間以上業務別教育時間の2分の1または2時間の少ない方
検定合格証明書(他区分)または指導教育責任者資格者証(他区分)を保有業務別教育のみ10時間以上業務別教育時間の2分の1または5時間の少ない方
上記に加え同一区分での実務経験も1年以上業務別教育のみ3時間以上業務別教育時間の2分の1または2時間の少ない方
検定合格証明書または指導教育責任者資格者証を同一区分で保有新任教育そのものが不要(適用除外)

イベント警備は2号警備(交通誘導・雑踏警備)に分類されることが多く、初めて2号業務に就くスタッフであれば、原則としてこの表の一番上、20時間以上の新任教育が必要になります。自社で雇っているスタッフがどの区分に当てはまるかは、資格・経歴を選ぶだけで判定できる教育時間チェッカーで確認できます。

実地教育での代替を使った具体的な計算例

新任教育の一部は、実際の現場で行う「実地教育」で代替できますが、上限があります。たとえば未経験の一般警備員で、教育計画上の業務別教育を12時間とした場合、実地教育で代替できるのは「12時間 ÷ 2 = 6時間」ではなく、規則が定める上限5時間の方が少ないため、5時間までが実地教育での代替上限になります(施行規則38条4項備考、教育計画上の業務別教育時間数の2分の1または5時間のいずれか少ない時間数まで)。残りの7時間は、実地以外の方法(座学・実技訓練など)で確保しなければなりません。

同一区分の実務経験がある人(新任教育7時間の区分)の場合は上限が異なり、業務別教育を4時間と計画したときの実地代替上限は「4時間 ÷ 2 = 2時間」で、こちらは2時間の方が少ないためそのまま2時間が上限になります。区分によって「2分の1」と「5時間」「2時間」のどちらが効くかが変わる点は、見落としやすいポイントです。

自社で確認・対応すべき手順

  1. スタッフ一人ひとりの「初めて警備業務に就くか」を確認する:イベントごとの登録名簿ではなく、その人が過去にどの区分の警備業務にどれだけ従事したかを個人単位で管理します。同じ区分の経験が通算1年以上あるかどうかで、必要時間数が20時間から7時間に変わります。
  2. 業務に就かせる前に教育を終える:現場当日にオリエンテーションを兼ねて済ませるのではなく、就業開始前に必要時間数を満たしているかを確認します。イベント直前の駆け込み対応にならないよう、登録時点でスケジュールに組み込むと安全です。
  3. 教育計画書・教育実施簿に記録する:実施した教育は、実施年月日・内容・方法・時間数・実施場所・実施者・対象者を記載した書類として営業所に備え付ける義務があります(警備業法施行規則66条1項5号・6号)。スポット勤務のスタッフほど記録が抜けやすいため、他の警備員と同じ様式で管理してください。教育時間を計算しながら計画書の下地を作りたい場合は、教育計画書テンプレートも無料で使えます。

こうした記録は、警備員の増減が多い事業所ほど手書き・Excelでの管理が煩雑になりがちです。教育記録をクラウドでまとめて管理したい場合は、14日間の無料トライアル(クレジットカード不要)でケイビログの無料トライアルを試すこともできます。

注意点・誤解しやすいポイント

  • 「1日だけだから教育は簡略化してよい」という誤解:時間数の軽減は資格・経験によるものであり、勤務日数の少なさによる軽減規定はありません。1日だけの就業でも、初めて従事する区分であれば表どおりの時間数が必要です。
  • 一度新任教育を終えれば、その後は現任教育に切り替わる:同じ区分でスポット的に呼ばれ続けている警備員は、新任教育を終えた年度以降「現に警備業務に従事させている警備員」として扱われ、毎年度10時間以上の現任教育(施行規則38条5項)の対象になります。呼び出し頻度が低くても、その年度に一度でも従事させていれば対象から外れません。
  • 記録の保存期間を勘違いする:教育計画書・教育実施簿はいずれも当該年度が終了した日から2年間、営業所への備付けが必要です(施行規則66条2項)。保存期間の考え方は教育記録の保存期間まとめで詳しく整理しています。
  • 個々のスタッフがどの軽減区分に当たるか、複数区分を掛け持ちする場合の扱いなど、判断に迷うケースは自己判断せず、詳しくは管轄の都道府県公安委員会(警察本部の生活安全部局)や顧問の社会保険労務士にご確認ください。

自社の状況を具体的に確認したい方は、教育時間チェッカーで資格・経歴を入力して、必要な時間数と実地代替の上限を照らし合わせてみてください。

まとめ:スポット警備員の教育対応チェックリスト

  • イベント警備・スポット勤務でも、初めて警備業務に従事させる警備員には新任教育が必須(警備業法21条2項・施行規則38条4項)
  • 雇用期間の短さを理由にした教育の適用除外規定は存在しない。軽減・免除は資格・実務経験・警察官歴による
  • 未経験の一般警備員は20時間以上、同一区分の経験が1年以上あれば7時間以上など、区分ごとに必要時間数が異なる
  • 実地教育での代替は業務別教育時間の2分の1または規定上限(5時間・2時間)のいずれか少ない方まで
  • 教育の実施記録は教育計画書・教育実施簿として営業所に2年間備え付ける義務があり、スポット勤務者ほど抜け漏れに注意する

よくある質問

Q. イベント警備の1日だけのアルバイトにも新任教育は必要ですか?

必要です。警備業法施行規則38条4項は、教育の要否を雇用期間ではなく「初めてその区分の警備業務に従事するかどうか」で判断します。1日限りの勤務であっても、業務に就かせる前に必要時間数の新任教育を終える必要があります。

Q. 過去に他社で警備員をしていた人を採用した場合も20時間必要ですか?

直近3年間に通算1年以上、同一区分の警備業務に従事した経験があれば7時間以上に、他区分での経験や警察官の職歴があれば13時間以上に軽減されます(施行規則38条4項の表)。経験の裏付けとなる資料(在職証明など)を確認したうえで判断してください。

Q. 同じスポット警備員を別のイベントで再び呼ぶ場合、また新任教育からやり直しですか?

同じ区分の業務であれば、初回に新任教育を終えていれば再度の新任教育は不要です。ただし、その年度に一度でも従事させていれば、その年度分の現任教育(毎年度10時間以上、施行規則38条5項)の対象にはなります。

Q. 新任教育をせずにイベント当日から働かせてしまった場合、どうなりますか?

教育義務違反として、公安委員会からの指示処分や、悪質な場合は営業停止命令の対象となり得ます。教育計画書・教育実施簿などの備付け書類は立入検査で確認されるため、実施していない場合は記録の不備としてすぐに判明します。気づいた時点で速やかに教育を実施し、記録を整えたうえで、必要に応じて管轄の公安委員会に相談してください。

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