警備業の認定更新はいつ・何を出す?結論は「満了30日前までに更新申請」
「認定証の有効期限が近づいているが、いつまでに何を出せばいいのか分からない」——警備業の管理者や指導教育責任者(警備員に対する教育を管理する立場の資格者)から、こうした相談をよく受けます。認定は一度取れば終わりではなく、5年ごとに更新が必要な制度だからです。
結論から言うと、認定の有効期間は5年で、引き続き営業する場合は有効期間満了の日の30日前までに、主たる営業所を管轄する公安委員会へ更新申請をしなければなりません。申請を怠って有効期間が満了すると、認定はその時点で失効し、営業を続ければ罰則の対象にもなり得ます。この記事では、根拠条文と実務上の期限・必要書類・注意点を整理します。
認定の有効期間は5年、更新しなければ失効する
警備業法4条1項は「警備業を営もうとする者は…都道府県公安委員会の認定を受けなければならない」と定め、同法5条4項は「認定の有効期間は、認定を受けた日から起算して五年とする」と規定しています。つまり認定は永続する資格ではなく、5年という期限付きの許可です。
引き続き営業したい場合は、同法7条1項により公安委員会へ更新申請を行い、更新を受ける必要があります。ここで見落とされがちなのが、同条5項の「認定の有効期間が満了したときは、認定は、その効力を失う」という規定です。更新申請を出していても、審査が有効期間内に終わらなければ、期間満了と同時に認定は自動的に失効します。法律上、申請さえしていれば失効を免れる猶予規定は存在しません。
そのうえで警備業法57条2号は「認定の有効期間の更新の申請をしないで、認定の有効期間の満了後引き続き警備業を営んだ者」に対し、100万円以下の罰金を定めています。更新期限を過ぎた状態で営業を続けることは、単なる事務手続き漏れではなく罰則付きの違反行為である点は押さえておく必要があります。
更新申請はいつまでに、何を出せばいいか
警備業法施行規則8条1項は「有効期間の更新の申請は、認定の有効期間の満了の日の三十日前までに行わなければならない」と定めています。これが法律上の最終期限です。ただし審査には一定の期間がかかるため、多くの警察本部では満了日の3か月前から更新申請を受け付けています(警視庁「警備業の認定申請」)。30日前ぎりぎりに申請して審査が満了日を超えれば、その間は無認定状態になりかねないため、受付開始直後を目安に動くのが安全です。
更新申請書に記載する内容は、新規の認定申請とほぼ同じです。警備業法5条1項は認定申請書の記載事項として、氏名・住所(法人は代表者氏名)、営業所の名称・所在地・取り扱う警備業務の区分、警備員指導教育責任者の氏名・住所、法人役員の氏名・住所を挙げており、同法7条4項によりこの規定は更新申請にも準用されます。添付書類も、欠格事由に該当しない旨の誓約書、本籍地記載の住民票の写し、履歴書、身分証明書、医師の診断書、指導教育責任者資格者証の写しなど、新規申請時と同水準の書類一式が求められます(前掲・警視庁案内)。
| 項目 | 新規の認定申請 | 認定の更新申請 |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 警備業法4条・5条 | 警備業法7条(5条1項を準用) |
| 提出期限 | 営業開始前 | 有効期間満了の30日前まで(施行規則8条1項) |
| 記載事項 | 氏名・営業所・業務区分・指導教育責任者等 | 新規申請とほぼ同じ |
| 有効期間 | 認定を受けた日から5年 | 更新後も5年 |
| 手数料の目安 | 多くの都道府県で23,000円程度 | 多くの都道府県で23,000円程度 |
手数料は都道府県の条例で定められており、上表の金額は複数の道府県警察の案内で確認できた目安です。金額や運用は自治体ごとに異なることがあるため、正確な額は管轄の警察署(東京都内は生活安全課)で確認してください。
自社が更新に必要な書類を漏れなく揃えられているか不安な場合は、備付け書類8点チェックリストで認定証をはじめとする法定書類の保管状況を先に点検しておくと、更新手続きの土台が固まります。
自社で確認・対応する手順
- 認定証に記載された有効期間の満了日を確認する(見落としを避けるため、満了日の半年前を目安に社内でリマインドを設定する)
- 管轄の警察署に更新申請の受付開始時期と必要書類の最新版を確認する(都道府県により運用に幅があるため)
- 役員・指導教育責任者の住民票・履歴書・診断書など、有効期限のある添付書類を早めに手配する
- 更新申請と並行して、営業所に備える法定書類(施行規則66条1項の8点)の内容も点検する。このうち教育計画書・教育実施簿には教育時間の記載が必要で、たとえば業務別教育6時間のうち実地教育で代替できるのは6 ÷ 2 = 3時間まで、現任警備員5名分の年間必要時間は10時間 × 5名=延べ50時間分の実施記録が必要になります。更新のタイミングで台帳が整っているか確認しておくと、後の立入検査対応も楽になります
- 満了日の30日前という法律上の期限より前、受付開始直後を目標に申請を提出する
注意点・誤解しやすいポイント
- 「申請さえ出せば失効しない」は誤解:警備業法7条5項は申請の有無にかかわらず、有効期間満了で認定が効力を失うと定めています。審査中に満了日を迎えないよう、余裕を持った申請が前提です。
- 更新の申請期限=申請可能な最短時期ではない:施行規則8条1項の「30日前まで」は最終期限であり、実際は満了の3か月前から受け付けている警察本部が多いため、期限ぎりぎりを狙うメリットはありません。
- 更新後も認定証の掲示義務は続く:警備業法6条により、認定を受けた証明として掲示または公衆の閲覧に供する義務があるのは更新後も変わりません。更新手続きが終わったら書類上の管理だけで終わらせず、掲示の状態も確認してください。
- 書類の不備は営業所ごとに発生し得る:複数の営業所を持つ場合、指導教育責任者や役員の情報に変更があれば、更新申請の記載事項にも反映が必要です。営業所単位で最新の情報を確認しておきましょう。
このあたりの運用や必要書類の細部は警察本部・都道府県によって幅があります。詳しくは管轄の都道府県公安委員会(警察本部の生活安全部局)や顧問の社会保険労務士にご確認ください。
更新手続きと合わせて、教育記録や備付け書類の管理を紙の台帳で回すのが負担になっている場合は、14日間の無料トライアル(クレジットカード不要)でクラウド管理に切り替える方法もあります。まずは備付け書類8点チェックリストで自社の現状を確認してみてください。
まとめ
- 認定の有効期間は5年(警備業法5条4項)で、自動更新はされない
- 引き続き営業する場合は有効期間満了の30日前までに更新申請が必要(警備業法7条1項・施行規則8条1項)
- 申請中でも満了すれば認定は失効し(警備業法7条5項)、失効後の営業継続は100万円以下の罰金の対象になり得る(警備業法57条2号)
- 更新申請の記載事項・添付書類は新規申請とほぼ同水準で、手数料は多くの道府県で23,000円程度
- 期限ぎりぎりでなく、警察本部の受付開始時期(多くは満了の3か月前)を目安に早めに動くのが安全
よくある質問
Q. 認定の更新申請を出していれば、審査中に有効期間が満了しても営業を続けられますか?
続けられません。警備業法7条5項は、更新申請の有無にかかわらず有効期間の満了で認定が効力を失うと定めています。審査が満了日をまたがないよう、余裕を持って申請することが重要です。
Q. 更新申請の期限に間に合わなかった場合、どうなりますか?
有効期間満了後も警備業を続けると、警備業法57条2号により100万円以下の罰金の対象になり得ます。期限に間に合わない見込みが分かった時点で、速やかに管轄の公安委員会に相談してください。
Q. 更新の手数料はいくらですか?
法律や政令で全国一律に定められているわけではなく、都道府県の条例で定められています。複数の道府県警察の案内では23,000円程度とされていますが、正確な額は管轄の警察署で確認してください。
Q. 更新申請に必要な書類は、新規の認定申請と同じですか?
記載事項・添付書類の水準はほぼ同じです。警備業法7条4項により、認定申請書の記載事項を定めた5条1項の規定が更新申請にも準用され、誓約書・住民票の写し・履歴書・身分証明書・医師の診断書などの提出が求められます。詳細は管轄の警察署の最新案内で確認してください。