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警備員教育は誰が実施できる?教育を行う者の要件

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警備員教育は誰でも実施できるわけではない

「警備員教育は義務なのはわかっている。でも、誰がやってもいいのか」――そう疑問に思っている管理者の方は少なくありません。実施者を誤ると、実施した教育が無効とみなされるリスクがあります。この記事では、警備業法施行規則の条文を根拠に、教育を行える者の要件を正確に解説します。

結論:教育を行える者は3パターン

2026年時点の規定では、警備員教育を実施できる者は次の3つに整理されます。

  1. 警備員指導教育責任者(指教責)――基本教育・業務別教育の両方を行える
  2. 指導教育責任者と同等の知識経験がある者(国家公安委員会規程で定める者)――基本教育・業務別教育の両方を行える
  3. 2年以上継続して当該警備業務に従事している警備員――実地教育に限り業務別教育の一部として行える

この区別を正確に押さえておかないと、「ベテラン隊員に任せていたが実地教育の要件を知らなかった」「指教責不在の期間に実施した教育が記録上問題になった」という事態になりかねません。

根拠条文と教育実施者の詳細

教育義務の根拠:警備業法第21条

警備業法第21条第2項は、「警備業者は、その警備員に対し…内閣府令で定めるところにより教育を行わなければならない」と定めています。「内閣府令で定める」とは警備業法施行規則第38条を指し、教育の方法・時間数・実施者が具体的に規定されています。

施行規則第38条:教育を行う者

施行規則第38条は、基本教育・業務別教育のいずれについても「指導教育責任者又は当該教育についてこれと同等の知識経験がある者として国家公安委員会が定める者が行う」と規定しています。

また、業務別教育の一部として実地教育(警備現場でマンツーマン方式で行う教育)を行う場合は、「2年以上継続して当該警備業務に従事している警備員」もその担当者になれます(同条)。ただし、実地教育で代替できるのは業務別教育時間の2分の1までという上限があります。

国家公安委員会規程:「同等の知識経験がある者」の定義

「同等の知識経験がある者」とは、「警備員教育を行う者等を定める規程」(国家公安委員会)で次のように定められています。

区分要件
基本教育を行える者①指教責資格者証所持者、②検定1級合格者で指導教育能力があると認められる者、③検定2級合格後1年以上継続従事し指導教育能力があると認められる者、④公安委員会があらかじめ指定する者
業務別教育を行える者上記①〜④に加え、当該警備業務区分の指教責資格者証所持者(その区分の業務別教育に限る)、同区分の1級・2級検定合格者(資格に対応する区分の業務別教育に限る)
実地教育を行える者指教責資格者証所持者、同等の知識経験がある者、または 2年以上継続して当該警備業務に従事している警備員

警視庁のページでも「警備員に対する教育ができる者」として同様の整理が公表されています。

指導教育責任者(指教責)とは

指教責の選任義務は警備業法第22条に定められています。警備業者は、営業所ごとおよび営業所で取り扱う警備業務の区分ごとに、指教責を1名以上選任しなければなりません。選任できるのは、都道府県公安委員会が交付する「警備員指導教育責任者資格者証」を持つ者に限られます。

指教責が欠けた場合は14日以内に再選任しなければならず、選任・解任は都道府県公安委員会への届出が必要です(同条5項)。

指教責資格者証の取得方法

取得は「指導教育責任者講習(新規)」の修了が基本です(警視庁の案内)。

  • 受講要件:受講する警備業務区分の検定1級合格証明書を持つ者、または2級合格証明書を取得後1年以上継続して当該区分の業務に従事している者
  • 講習日数:区分によって5〜7日間(1号警備7日、2号・3号警備各6日、4号警備5日)
  • 修了考査:最終日に実施、40問・100分・80%以上で合格

また、すでに資格を持つ指教責は3年ごとに定期講習(現任)の受講義務があります。

自社の教育担当者が教育実施者の要件を満たしているかどうかは、教育時間チェッカーで警備員の区分・資格・経験年数を入力すると、必要な時間数と免除条件をあわせて確認できます。

自社で確認・対応する手順

  1. 指教責の選任状況を確認する
    自社の各営業所で、取り扱う警備業務区分ごとに有効な指教責資格者証を持つ者が選任されているかを確認する。区分ごとの選任が漏れていないか台帳で管理する。

  2. 教育担当者の要件を確認する
    実際に教育を行っている社員・担当者が、上記3パターンのいずれかに該当するかを個別に確認する。「経験が長いから」だけでは要件を満たさない。

  3. 実地教育の担当者も要件を確認する
    2年以上継続従事の警備員が実地教育を担当している場合、その担当者の在籍記録(従事開始日)を保管しておく。立入検査では記録の提示が求められる。

  4. 教育実施簿に教育担当者を記載する
    教育実施簿には教育を行った者の氏名を記録することが求められます。担当者名が空欄のまま提出するケースが散見されるため注意が必要です。

  5. 指教責資格者証の有効期限・定期講習を管理する
    資格者証の更新漏れや定期講習(3年ごと)の未受講は、事実上の選任解除につながります。カレンダーなどで期限管理を行う。

注意点・誤解しやすいポイント

「実務経験が長ければ教育を行える」は誤り

教育全般(基本教育・業務別教育の講義・実技訓練部分)は、指教責または同等の知識経験がある者しか行えません。2年以上の経験者が行える「実地教育」は業務別教育の一部であり、しかも業務別教育時間の2分の1が上限です。

たとえば、業務別教育が6時間必要な警備員に実地教育だけで対応しようとすると、実地教育に替えられるのは最大 6時間 ÷ 2 = 3時間まです。残り3時間は指教責等が行う講義・実技訓練の形式で実施しなければなりません。

「指教責は1人いればよい」は誤り

指教責の選任は「警備業務の区分ごと」が必要です。1号警備(施設警備)と2号警備(交通誘導)の両方を取り扱う営業所なら、それぞれの区分で指教責を選任しなければなりません。1人が複数区分の資格者証を持ち兼任することは可能ですが、「1名いれば区分にかかわらずすべて担当できる」とはなりません。

「教育計画書を作れば実施管理は指教責の仕事」

施行規則第40条では、指教責の法定業務として「教育計画書を作成し、その計画に基づく警備員教育の実施を管理すること」が明記されています。実際に教育を行う者と教育の実施を管理する者(指教責)が役割として分かれており、管理責任は指教責にあります。

自社の現任教育・新任教育が要件を満たしているか、まとめて確認したい場合は教育時間チェッカーをお役立てください。資格区分・従事年数・保有検定を入力するだけで、必要時間数と免除条件が一覧で表示されます。

詳しい適用の判断については、管轄の都道府県公安委員会(警察本部の生活安全部局)や顧問の社会保険労務士・行政書士にご確認ください。

まとめ

  • 基本教育・業務別教育(講義・実技訓練)を行えるのは、指導教育責任者または同等の知識経験がある者に限られる(施行規則38条)
  • 「同等の知識経験がある者」とは国家公安委員会規程で定める者(1級・2級検定合格者等)であり、経験年数だけでは要件を満たさない
  • 実地教育に限り、2年以上継続従事の警備員も担当できるが、業務別教育時間の1/2まで(例:業務別6時間なら実地は最大3時間)
  • 指教責は営業所ごと・警備業務区分ごとに選任義務があり、欠けた場合は14日以内の再選任が必要(警備業法22条)
  • 教育実施者の確認・教育時間の管理には教育時間チェッカーを活用すると効率的です。クラウドで教育記録を一元管理したい場合は、14日間の無料トライアル(カード不要)もご活用ください

よくある質問

Q. 指導教育責任者でなくても警備員教育を行えますか?

検定1級合格者で指導教育能力があると認められる者、または検定2級合格後1年以上継続従事しており指導教育能力があると認められる者は、国家公安委員会規程に基づき基本教育・業務別教育を行うことができます。ただし「経験年数が長いだけ」では要件を満たしません(警備員教育を行う者等を定める規程)。

Q. ベテラン警備員に新任教育を任せてよいですか?

「2年以上継続して当該警備業務に従事している警備員」が行える教育は実地教育に限られます。新任教育に含まれる基本教育や業務別教育の講義・実技訓練部分は、指教責または同等の知識経験がある者が行う必要があります(施行規則38条)。

Q. 指教責が退職・休職した場合、教育はすぐに止めなければなりませんか?

指教責が欠けた場合、警備業法第22条第4項により14日以内に再選任する必要があります。この14日間は欠けた状態でも直ちに営業停止にはなりませんが、教育の実施管理が行われない状態は記録上問題になる可能性があります。代替の指教責の手配または有資格者(同等の知識経験者)への教育委託を速やかに検討してください。

Q. 指教責が1名いれば、全区分の教育を担当できますか?

指教責資格者証は警備業務の区分ごとに交付されます(警備業法22条)。1号(施設警備)と2号(交通誘導)の両方を扱う場合は、それぞれの区分の資格者証が必要です。1人が複数区分の資格者証を持って兼任することは可能ですが、区分ごとの資格者証が必要な点には注意が必要です。

Q. 教育実施者の要件を満たさない者が教育を行った場合、記録はどうなりますか?

要件を満たさない者が行った教育は、施行規則上の「教育」として認められない可能性があります。公安委員会の立入検査では教育実施簿に記載の担当者名と資格が確認されます。要件外の者が担当していた場合は、教育時間の不足として指摘を受けることがあります。詳しくは管轄の警察本部の生活安全部局にご確認ください。

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