備付け書類

警備員を採用するときに必要な書類|誓約書・身分証明書・診断書と名簿への記載

運営・編集:ケイビログ編集部

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結論:法律上必須なのは「誓約書」と「名簿」の2点。身分証明書・診断書は別の場面の書類

警備員を採用するとき、何をどこまで揃えればよいのか、求人サイトや同業者の話だけでは線引きがはっきりしません。結論から言うと、一般の警備員を採用する際に警備業法が義務づけているのは、(1)欠格事由に該当しない旨の誓約書の提出を受けること、(2)警備員名簿に法定事項と写真を記載して備え付けることの2点です(警備業法施行規則66条1項1号・2号)。

一方、「身分証明書」「診断書」という言葉もよく目にしますが、これらは主に警備員指導教育責任者資格者証や機械警備業務管理者資格者証の交付申請で必要になる書類です(施行規則4条1項1号・42条)。一般の警備員採用そのものに、法律上この2点の提出が義務づけられているわけではありません。ただし、警察庁の解釈運用基準は、採用時に履歴書・診断書の提出や面接調査などの「十分な措置」を講じるよう警備業者を指導する立場をとっています。この法律上の義務と、行政指導として求められる実務対応の線引きを、条文に沿って整理します。

誰を警備員にしてはいけないか(欠格事由)

警備業法14条1項は、18歳未満の者、または同法3条1号から7号のいずれかに該当する者を警備員にしてはならないと定めています(警備業法14条・3条)。採用の確認は、まずこの7項目に該当しないかどうかがスタートラインです。

号該当する者
1号破産手続開始の決定を受け、まだ復権していない者
2号拘禁刑以上の刑、または警備業法違反の罰金刑を受け、執行終了等から5年を経過しない者
3号直近5年以内に警備業務に関し重大な不正行為を行った者(国家公安委員会規則で定めるもの)
4号集団的または常習的に暴力的不法行為等を行うおそれがあると相当な理由をもって認められる者
5号暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の命令・指示を受けてから3年を経過しない者
6号アルコール、麻薬、大麻、あへん、覚醒剤の中毒者
7号心身の障害により警備業務を適正に行うことができない者(国家公安委員会規則で定めるもの)

なお、かつて3条1号に含まれていた「被保佐人」を理由とする欠格は、令和元年法律第37号による改正で削除されています。現行の7項目には含まれません。

採用時に必須の書類1:欠格事由に該当しない旨の誓約書

警備業法14条2項は、警備業者に欠格事由該当者を警備業務に従事させてはならないと義務づけています。この義務を果たすため、施行規則66条1項2号は、警備員ごとに、欠格事由に該当しない旨を誓約する書面の提出を受けた旨と、該当しないことを確認するために講じた措置を記載した書類を備え付けるよう定めています。提出を受けた誓約書そのものを添付する必要がある点に注意してください。

この誓約書は営業所に備え付ける法定書類(施行規則66条1項各号)の一部であり、立入検査では名簿(1号)とあわせて提出状況が確認されます。自社で作成する場合は、欠格事由7項目(上の表)のいずれにも該当しない旨を、採用予定者本人の署名・押印付きで明記した書面にするのが基本です。

身元やキャリアを自社の状況に合わせて確認したい場合は、警備員名簿テンプレートを使うと、名簿と合わせて必要事項を1つのフォーマットで整理できます。

採用時に必須の書類2:警備員名簿と写真

施行規則66条1項1号は、営業所ごとに次の事項を記載し、**3年以内に撮影した、無帽・正面・上三分身・縦3cm×横2.4cmの写真(無背景に限る)**を貼り付けた警備員名簿を備えることを定めています。

  • 氏名、本籍、住所、生年月日、採用年月日(退職時は退職年月日も)
  • 行った警備員教育の実施年月日・内容・時間数・実施者の氏名
  • 従事させる警備業務の内容
  • 検定の合格証明書や指導教育責任者資格者証などを持つ場合はその交付公安委員会・交付年月日・番号等

保存期間は、警備員名簿は当該警備員の退職後1年間です(施行規則66条2項)。採用時だけでなく、退職後の保存期間まで運用ルールに入れておく必要があります。

「身分証明書」「診断書」が必要になるのはどの場面か

ここが実務で混同されやすい点です。警備業法施行規則4条1項1号は、警備業の認定申請(新たに警備業者になるときの申請)で添付する書類として、履歴書・住民票の写し、欠格事由に関する誓約書、市町村長が発行する証明書(準禁治産者や破産未復権者でないことの証明。実務上「身分証明書」と呼ばれます)、医師の診断書(アルコール・薬物中毒でないことの証明)を列挙しています。同じ組み合わせは、施行規則42条が定める警備員指導教育責任者資格者証や機械警備業務管理者資格者証の交付申請でも必要になります。

つまり「身分証明書」「診断書」は、採用した警備員を指導教育責任者などの資格者として選任・申請するときに必要になる書類であり、一般の警備員として雇用する行為そのものに法律が義務づけているわけではありません。

一方で、警察庁の解釈運用基準(警備業法等の解釈運用基準)は、14条2項の確認義務を具体化する形で、「警備業者に対して、警備員の採用に当たっては、本人から欠格事由に該当しない旨の誓約書の提出を受けることに加えて、履歴書、診断書等の提出を受けたり、面接調査を行ったり、事前に本人の承諾を得て前の警備業務に係る職場に問い合わせるなどの十分な措置を執るように指導すること」としています(警備業法等の解釈運用基準・第12)。法律の義務ではなく行政指導のレベルですが、立入検査では「十分な措置」を講じたかどうかが実際に確認対象になるため、履歴書と診断書の提出を採用プロセスに組み込んでいる会社は少なくありません。

自社で確認・準備する手順

  1. 欠格事由チェック:上の7項目に該当しないかを、履歴書・本人への質問・(必要に応じ)前職への確認で調査する
  2. 誓約書の取得:欠格事由に該当しない旨の誓約書に署名・押印を受け、原本を保管する
  3. 名簿の作成:氏名・本籍・住所・生年月日・採用年月日を記載し、規格どおりの写真を貼付する
  4. 確認記録の作成:誓約書に加えてどのような確認措置を講じたか(面接調査の実施等)を記録に残す
  5. 資格者として選任する予定があれば:指導教育責任者資格者証等の申請用に、住民票の写し・市町村長の証明書・医師の診断書を別途準備する

名簿と誓約書の記載事項は、採用後すぐに必要になります。自社でこれから整える場合は、警備員名簿テンプレートで項目の漏れを確認してから書面に落とし込むと、立入検査前の点検もしやすくなります。

採用後すぐに始まる教育義務も見落とさない

採用した警備員には、警備業務に就かせる前に**新任教育(基本教育+業務別教育を合計20時間以上)**を行う義務があります(施行規則38条1項)。たとえば業務別教育が6時間と定められている区分では、実地教育で代替できるのは2分の1までなので、6 ÷ 2 = 3時間までが実地代替の上限になります。残りは座学等で確保する必要があります。採用時の書類整備と教育記録は、名簿(66条1項1号ロ)にも実施年月日・内容・時間数を記載する関係で地続きの作業です。書類だけ整えて教育記録が追いついていないケースは、立入検査でよく指摘されます。

欠格事由の調査方法や誓約書・名簿の具体的な運用、資格者証申請の要否は、個々の事情によって判断が分かれます。詳しくは管轄の都道府県公安委員会(警察本部の生活安全部局)や顧問の社会保険労務士にご確認ください。

教育記録まで含めて警備員ごとの状況を管理したい場合は、14日間の無料トライアル(クレジットカード不要)でクラウド管理を試すこともできます。

採用の段取りを自社で見直す際は、警備員名簿テンプレートで名簿の記載事項を一度整理してから、誓約書のひな形・確認記録とあわせて運用に落とし込むとスムーズです。

まとめ

  • 法律上必須なのは、欠格事由に該当しない旨の誓約書(施行規則66条1項2号)と警備員名簿への記載・写真貼付(同項1号)の2点
  • 欠格事由は警備業法3条1号〜7号(14条1項が引用)の7項目。被保佐人の規定は削除済み
  • 「身分証明書」(市町村長の証明書)「診断書」は、警備業の認定申請や指導教育責任者等の資格者証申請(施行規則4条・42条)で必要になる書類
  • 警察庁の解釈運用基準は、採用時に履歴書・診断書の提出や面接調査などの「十分な措置」を講じるよう行政指導している
  • 名簿の保存期間は退職後1年間。採用時だけでなく退職後の保存まで運用に組み込む

採用時の確認と教育記録を分けて管理すると、立入検査の前に慌てずに済みます。

よくある質問

Q. 警備員を採用するときは必ず診断書を提出させないといけませんか?

一般の警備員採用そのものに、法律上の診断書提出義務はありません。診断書は警備業の認定申請や指導教育責任者資格者証等の交付申請(施行規則4条1項1号ニ・42条)で必要な書類です。ただし警察庁の解釈運用基準は、欠格事由確認の「十分な措置」の一つとして診断書の提出を受けるよう指導しているため、確認手段として取り入れている会社もあります。

Q. 「身分証明書」とは運転免許証やマイナンバーカードのことですか?

いいえ。警備業法関連の手続きで使われる「身分証明書」は、本籍地の市町村長が発行する、準禁治産者・破産未復権者に該当しないことを証明する書類(施行規則4条1項1号ハ)を指します。運転免許証等の一般的な本人確認書類とは別物です。

Q. 誓約書のひな形は決まっていますか?

施行規則に書式の指定はありませんが、警備業法14条が引用する3条1号〜7号の欠格事由すべてに該当しない旨を、本人の署名・押印付きで明記するのが基本です。提出を受けた誓約書は、確認措置の記録(施行規則66条1項2号)に添付して保管します。

Q. 名簿の写真は入社時の1枚を使い続けてよいですか?

いいえ。施行規則66条1項1号は「3年以内に撮影した」写真を求めています。入社から3年を超えたら撮影し直して貼り替える必要があります。

Q. 採用時の書類整備と教育記録は別々に管理してよいですか?

分けて管理しても構いませんが、名簿には教育の実施年月日・内容・時間数も記載する必要があるため、結局は警備員ごとに採用情報と教育記録を一体で追いかけることになります。立入検査では両方が同時に確認されるため、個別の判断は管轄の都道府県公安委員会や顧問の社会保険労務士にご確認ください。

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