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護身用具の届出と携帯の基準|警棒・さすまたの扱い

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護身用具の届出、結局何をすればいいのか

「警戒棒を持たせたいが、届出は必要なのか」「そもそも何を届け出れば警察に指摘されないのか」——採用や現場配置を進める中で、この疑問に突き当たった管理者・指導教育責任者の方は少なくないはずです。届出書の様式は探せば見つかっても、根拠条文や「うちの規模でも必要なのか」までは調べきれないまま後回しになりがちです。本記事では、警備業法・施行規則の条文に沿って、護身用具の届出義務と携帯基準を整理します。

結論:携帯させるなら原則届出、様式と期限が決まっている

結論から言うと、警備業者が警備業務で護身用具を携帯させる場合は、原則として警備業務を行おうとする都道府県の公安委員会へ届出書を提出する義務があります。根拠は警備業法第17条第2項で、服装の届出を定めた第16条第2項の規定を準用する形で定められています。届出書の様式は警備業法施行規則第28条により別記様式第10号、提出期限は「当該警備業務の開始の日の前日まで」と定められています。なお、実施期間が30日以内かつ従事する警備員が1日につき5人以内の業務などは、同規則第31条により届出が不要とされる場合があります。ただし該当するかどうかの判断は自己判断せず、必ず管轄の公安委員会に確認してください。

携帯できる護身用具の種類と規格

警備業法第17条第1項は、公安委員会が公共の安全維持のため必要と認めるときは、都道府県公安委員会規則で護身用具の携帯を禁止・制限できると定めています。つまり携帯できる護身用具の具体的な規格は、都道府県ごとの公安委員会規則で決まる仕組みです。例えば東京都の警備業者等が携帯する護身用具の制限等に関する規則では、代表的な護身用具として警戒棒・警戒じょうの規格を次のように定めています。

種類形状長さ重量の目安
警戒棒円棒30cmを超え90cm以下長さに応じ160g〜460g以下
警戒じょう円棒90cmを超え130cm以下長さに応じ510g〜690g以下

これらに加え、刺股や非金属製の盾など「携帯することにより人に著しく不安を覚えさせるおそれがなく、鋭利な部位がないもの」に限られる点が共通の考え方です。この規格は都道府県によって数値や対象品目が異なる場合があるため、他県の情報をそのまま自社の営業所所在地に当てはめないよう注意してください。

自社の状況を確認したい方は、備付け書類チェックリストで服装・護身用具の届出も含めた必要書類を一覧で確認できます。

届出の実務:いつ・どこに・何を出すか

実務上のポイントを整理すると次のとおりです。

  • 提出先:警備業務を行おうとする都道府県の区域を管轄する公安委員会(実際は経由警察署の窓口)
  • 提出時期:当該警備業務の開始の日の前日まで(施行規則第28条)
  • 記載事項:護身用具の機能・使用基準、当該護身用具を携帯して行う警備業務の内容(施行規則第29条)
  • 添付書類:護身用具の種類ごとに縦12cm×横8cmの写真(色彩が識別できるもの)1枚(施行規則第30条)
  • 変更時:護身用具の種類や規格を変更する場合も、警備業法第17条第2項が準用する第11条第1項に基づき変更届出が必要

届出を怠った場合や虚偽記載をした場合は、警備業法第58条第2項第3号により30万円以下の罰金の対象となり得ます。立入検査で最初に確認されやすい書類のひとつでもあるため、警戒棒等を配備している営業所は届出控えの所在を把握しておくことをおすすめします。

教育記録との関係:護身用具は基本教育の対象でもある

護身用具は届出だけでなく、教育面でも押さえるべき項目です。施行規則第38条第2項が定める基本教育の教育事項には「護身用具の使用方法その他の護身の方法に関すること」が含まれています。基本教育は新任教育・現任教育のいずれにも組み込まれる区分で、2026年時点の規定では新任教育は基本教育と業務別教育を合わせて20時間以上、現任教育は毎年度(4月1日〜翌3月31日)合わせて10時間以上が必要です。実地教育による代替は業務別教育時間の2分の1までが上限のため、例えば業務別教育6時間のうち実地教育で代替できるのは6÷2=3時間までとなります。護身用具を配備している以上、その使用方法の教育記録も基本教育の実施簿に残す必要がある、という点は見落とされがちです。

教育記録の管理方法まで含めて整理したい場合は、14日間の無料トライアル(クレジットカード不要)で教育実施簿と教育計画書をクラウド管理できるケイビログも選択肢のひとつです。

注意点・誤解しやすいポイント

  • 「届出不要な規模だから何もしなくていい」ではない:施行規則第31条の適用除外は届出義務の話であり、護身用具そのものの携帯禁止・制限規則(各都道府県公安委員会規則)は別途適用されます。
  • 他県の規格をそのまま流用しない:警戒棒・警戒じょうの寸法・重量は都道府県ごとに規則で個別に定められているため、営業所所在地の公安委員会規則を確認する必要があります。
  • 届出=携帯許可ではない:届出は「携帯する護身用具の内容を公安委員会に把握させる」手続きであり、規則で禁止・制限されている用具は届出をしても携帯できません。
  • 写真の要件を軽視しない:施行規則第30条の写真規格(縦12cm×横8cm・色彩識別可能)を満たさないと受理されないケースがあります。

詳しくは管轄の都道府県公安委員会(警察本部の生活安全部局)や顧問の社会保険労務士にご確認ください。

まとめ

  • 護身用具を携帯させて警備業務を行う場合、原則として都道府県公安委員会への届出が必要(警備業法第17条第2項、施行規則第28条〜第30条)
  • 提出期限は警備業務開始の前日まで、様式は別記様式第10号
  • 実施期間30日以内かつ1日5人以内の業務などは届出不要になる場合があるが、判断は公安委員会に確認する
  • 携帯できる護身用具の具体的な規格は都道府県公安委員会規則ごとに異なる(東京都の例では警戒棒30cm超90cm以下など)
  • 護身用具の使用方法は基本教育の教育事項でもあり、教育記録にも残す必要がある

まずは備付け書類チェックリストで自社の届出・書類の抜け漏れを確認し、教育記録の管理体制もあわせて見直してみてください。

よくある質問

Q. 護身用具を配備していない(素手で対応する)場合も届出は必要ですか?

護身用具を携帯させない場合は、護身用具の届出義務自体が発生しません。届出は「携帯する護身用具の内容」を公安委員会に把握させる手続きのため、配備しない営業所では対象外です。ただし服装の届出(警備業法第16条第2項)は別途必要です。

Q. 警戒棒と催涙スプレーは同じ扱いですか?

護身用具に該当するかどうか、また携帯が禁止・制限されるかどうかは、各都道府県公安委員会規則で用具ごとに個別に定められています。警戒棒・警戒じょうのように多くの規則で明文化されている用具もあれば、都道府県によって取扱いが異なる用具もあるため、個別に管轄の公安委員会へ確認することをおすすめします。

Q. 届出書はどこで入手・提出できますか?

様式は警備業法施行規則別記様式第10号です。提出先は警備業務を行おうとする都道府県の区域を管轄する公安委員会で、実務上は経由警察署の生活安全課(警備業担当)窓口に提出します。都道府県によっては電子申請に対応している場合もあるため、管轄警察署に確認してください。

Q. 届出をしないまま護身用具を携帯させるとどうなりますか?

警備業法第58条第2項第3号により、30万円以下の罰金の対象となり得ます。虚偽記載をして届出書を提出した場合も同様です。立入検査で確認されやすい項目のため、届出控えを営業所に保管しておくことをおすすめします。

Q. 護身用具の届出内容を変更したい場合はどうすればよいですか?

警備業法第17条第2項が準用する第11条第1項に基づき、変更に係る事項を記載した変更届出書を提出する必要があります。護身用具の種類や規格を変更する際は、事前に管轄の公安委員会に相談することをおすすめします。

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